<<この記事は2015/09/12に投稿した記事となります>>

尊敬するプロデューサーの考察とアーケードZエンドの内容を照らし合わせて自分の中で結論が出たので、忘れない内に書いておきます。テーマは「持ち歌をラスコンで選択すると評価がマイナスになる理由とアイマス時空」です。アーケードと無印が前提作品となります。

・トゥルーエンドを振り返る テーマに切り込む前に、アイマスの伝説に残る彼女のトゥルーエンドを振り返ります。 会場にドーム、ラストソングに太陽のジェラシーを選択すると、ライブ直前の会話で春香が「太陽のジェラシーは一番好きな歌だった。でも今は元気に歌える自信がない」と言います。 何故元気に歌える自信がないのか、それはこれがラストコンサートであり、これを終えたらアイドル天海春香の活動が終了となるからです。 春香は歌が好きでアイドルになりました。そんな彼女の持ち歌が太陽のジェラシーです。 アイマス世界において持ち歌の概念はDSとOFAを除いてかなり曖昧ですが、「歌が好きでアイドルとなった」春香にとって、この曲に対する思い入れは強かったと思います。 自分の夢を叶えた、自分の一番好きな歌で、自分の活動に幕を下ろすのですから、そりゃあ元気も無くなります。 このラスコン直前コミュは全アイドル共通で問題を抱えるアイドルにPが助言し気力を取り戻すという流れですが、ここについては春香も例外ではなく、結果として無事にラストソングを歌い終えます。 そしてここからの展開は既プレイの皆さんはご存じの通りです。 元気が無かった理由は歌だけではなかったということが読み取れる会話ですね。 ここだけを振り返っても何故持ち歌を選んだだけでマイナス補整がかかるのかうっすら察することができますが、さらに根拠付られそうな要素があるので確認していきます。

・ランクアップコミュ ランクAに上がった後のランクアップコミュです。このコミュは歌に対する自分の姿勢を再確認するコミュで、「Aランクまで来て最近歌が好きか分からなくなってたけどプロデューサーさんのおかげで思い出せた」という感じの内容です。ランクAまで登った時点で改めて春香がアイドルになったきっかけを見るというのは、春香と歌の関連性の強さ(≒他のアイドルと比べた時の持ち歌概念の相対性)を表していると考えられると思います。

・Zエンド アケマスロケテストにのみ存在し、現在ゲーム内で正規に見ることはできない幻のEDですね。自分もこの目で見たことはありませんが、動画サイトに10人分のZエンドがアップされているので知名度は低くないと思います。未見の方は検索してみてください。簡潔にまとめるとほぼ全員が「完全に道を絶たれたアイドルが完全引退を決意してPの元を去る」といった内容です。 春香のZエンドも同じ内容で、会話の中で「失敗をなかったことにして最初に戻りたい」というようなことを話します。 個人的にこの発言は「その世界線の春香」の話をしているのではなく、プレイヤーの思い出とリンクしたメタ発言をしているのだと考えています。そしてその根拠が、ラスコンの持ち歌マイナス補整と繋がる点になります。

・春香の記憶とプレイヤーの記憶 アケマス・無印・SPは活動の成果にかかわらず一年間の活動の後ラストコンサートを行いプロデュースが終了するわけですが、スタッフロールの後ゲーム内のプロデューサーは既に次のプロデュースに意識が向いています。アイドルによってはラスコン後の会話とスタッフロール後でプロデューサーのテンションがまったく異なり、話がつながらないように見えます。ここはプロデュースを終えるたびに気になっていた点なのですが、春香について考えるうちに「これってスタッフロールを挟んでアイマス世界の時間がループしていることを明示しているんじゃ」と考えるようになりました。実際はプレイヤーの頭に活動の記憶が残っているという点で厳密なループではないのですが、ここを深く考えると面白いことに気が付きます。 まず、完全新規プレイを開始した時点ではゲーム内の登場人物の記憶は空です。プロデューサーもアイドルも、プレイヤーの記憶も空です。 次に、前述したED後のスタッフロールの時点で、ゲーム内プロデューサーとアイドルの記憶がリセットされます。春香の言葉を借りるなら、「最初に戻る」わけです。しかし、プレイヤーの記憶は残り続けます。 「最初に戻る」という点について、次にアケマスのプロデュース終了時のことを確認します。アケマスはスタッフロール→Pの回想の後、解散したユニットカードが吐き出されます。このカードはもう二度と使うことはできませんが、プレイヤーのプロデュース記憶が存在し続けることの証明となります。プロデューサーカードも更新され、Pランクが書き換わります。つまり、プレイヤーにとってプロデュースの結果は無かったことにはならないのです。 さて、本題は次です。一度プロデュースを終え、新たなプロデュースをする際に、完全新規プレイ時と比べて明確に異なる点は何でしょうか。プレイヤーの記憶ですね。この記憶を頼りに、完全新規プレイの時よりも上手にアイドルをプロデュースすることができる可能性が非常に高くなります。 (補足:アイマスはゲームの難易度自体は決して低くなく、特にアーケードと無印では初見プレイでドームライブ大成功を収めることは不可能でしょう。よって、完全新規プレイで見るEDはトゥルーエンドではない場合がほとんどです。さらに、仮にトゥルーエンドを見ることができたとしても、スタッフロール後のP回想では初プレイ時に必ずPは「トップアイドルを育てることはできなかった」と自省します) 例を挙げます。 とあるプロデューサーがいたとします。今回は春香について書いているので、完全新規プレイと以降のプレイで春香を繰り返しソロプロデュースし、さらに新規プレイ時にトゥルーエンドを見ていないと仮定します。 何度もプロデュースを繰り返してようやくドームに連れて行ける腕が付き、次のプロデュースで春香をドームに連れて行き、トゥルーエンドを見ます。そして、春香のトゥルーエンドがZエンドを除いてワーストバッドエンドだということを知ります。 何度もプロデュースに失敗し、春香を悲しませ、そのプレイヤーも悲しみ、その悲しみを糧に手に入れたプロデュースの手腕を奮い、ようやくたどり着いたドームライブ大成功の結末がもっとも春香を悲しませる結末となることを知るのです。 もちろんトップアイドル育成が目的であるこのゲーム的には最上のエンディングであり、アイドルとして不動の地位を手に入れはします。しかし、春香にとっては「ただの歌が好きな女の子を歌を素材ここまで育ててくれた、生涯ただ一人の誰より大切なパートナー」の喪失に過ぎないのです。それを断言できる理由こそが、持ち歌補整がマイナスであることだと考えます。これは「トップアイドルとして大成功を収めること」より「プロデューサーと一緒にいること」の方にウェイトを置いていることを表しているのではないでしょうか。もし歌を武器にアイドルとして成功することの喜びの方が強いとするなら、持ち歌補整をマイナスにする理由の説明がつきません。 そして、この結末を迎えたプロデュースも終わり、春香の記憶がまた消えます。しかしプレイヤーの記憶は残り続けます。今回はプロデュースの結果に加え、春香にハッピーエンドは無いという事実が記憶に強く刷り込まれます。さらにもう一点、これはプレイヤーが気付くタイミングが様々なので一概には言えませんが、「春香のラストコンサートで太陽のジェラシーを選択すると最終評価が下がる」という事実も残り続けます。もしドーム到達前にマイナス補整のことを知っていたら理由を知りたくなるはずですし、ドーム到達まで全く知らなかったとしたらこのタイミングで気付くのです。ラストコンサートで太ジェラを選んでいなかったら気付くことはありませんが、ランクアップコミュを回収していればどこか気付いたタイミングで全てがつながります。 この事実と知識は、以降春香をプロデュースする際に必ずつきまとい、プレイヤーを葛藤させます。 そしてその葛藤へのある種の答えを私に与えてくれたのが、かの有名な「I Want」が収録された「MASTER ARTIST 01」です。 MA01でどのような答えが出たのかについては、後編に記載しています。